国内販売と海外輸出の両方を手掛けている場合、
次の話題が時々話に上ることがあります。
「国内販売用の法人と海外輸出用の法人に分けた方が、
消費税還付を受ける上で有利かも」


どういうロジックでそう考えるのかというと、
国内で仕入れて、輸出のみで売り上げを立てる場合だと、
課税事業者になっている場合は
課税仕入れ分の消費税(今なら8%)が申告すれば戻ってきますよね。

でも、その会社が国内販売を始めたとすると、
国内売上に相当する消費税(預かった分だけ)を納めなければなりません。
しかし、それには抜け道があって、
資本金を1,000万円未満に抑えた法人を新設した場合、
設立後約2事業年度は消費税を払わなくてよいという消費税法上の特例があります。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6531.htm
これは非常に節税効果が高いと言えるでしょう。

だったら法人を分けたほうが・・・ということのようです。
要するに、
・輸出用は課税業者
・国内販売用は免税業者
にすれば、期間限定で消費税還付の恩恵を最大限に受けられるだろうと。


但し、最近条件が追加され、課税売上高が小さいうちだけ(1,000万円未満など)
有効な手法なのでご注意を。
https://biz.moneyforward.com/blog/houjin-kaikei/consumption-tax-saving/



では、特例期間を過ぎてしまって、国内販売用の法人も課税業者になった場合は
消費税還付の観点から何か有利・不利が生じるのでしょうか?

消費税還付額のみに着目してシミュレーションしてみました。
(簡略化のため、商品の仕入・売上のみに着目)

例1: 単一法人で、輸出と国内販売の両方に売り上げがある場合
 国内仕入時に支払った消費税は:  100万円の仕入→支払い消費税8万円
 国内売上時に預かった消費税は:  150万円の売上→預かり消費税12万円
 海外売上時に預かった消費税は:  150万円の売上→預かり消費税0万円
 消費税要納付額 = 預かり消費税12万円 - 支払い消費税8万円 = 要納付額4万円
この場合、法人を2つに分けたらどうなるか?
 ↓
例2: 上記の法人を、国内販売用の法人と海外輸出用の法人に分割した場合
 <法人1>
 国内仕入時に支払った消費税  50万円の仕入→支払い消費税4万円
 国内売上時に預かった消費税 150万円の売上→預かり消費税12万円
 消費税要納付額 = 預かり消費税12万円 - 支払い消費税4万円 = 要納付額8万円
 <法人2>
 国内仕入時に支払った消費税  50万円の仕入→支払い消費税4万円
 海外売上時に預かった消費税 150万円の売上→預かり消費税0万円
 消費税要納付額 = 預かり消費税0万円 - 支払い消費税4万円 = 要納付額-4万円(還付になる)
 <合計>
 消費税要納付総額 要納付額8万円 + 要納付額-4万円 = 要納付額4万円

例1と例2の結果は同じ。
これは経費を含んだ場合も同じです。
「仕入」を「仕入+経費」で置き換えて議論を進めてください。


よって、結論は
Q.国内販売専用の法人と輸出専用の法人に分けたほうが得になるか?
A.消費税免税業者の条件を満たしている期間中 →得をする
 その期間を過ぎた場合 →得にならない(法人が1つの場合と全く同じ)

当然と言えば当然ですよね。

余談ですが、法人を2つに分割すると、事業税などをダブルで支払わないといけなくなりますし、
経理の手間もダブルになります(単純に2倍とは言いませんが)


最後に、、、
上記は単なる素人の一見解ですので、鵜呑みにせず専門家に確認をとってくださいね。